研究室紹介


四方研究室

キーワード:暗号理論,情報セキュリティ,理論計算機科学,応用数学

Photo of Shikata Lab.
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現代および未来の情報社会においては,コンピュータ技術とそれを繋ぐ通信ネットワーク技術は益々発展し,それによる多くのサービスの恩恵を安全かつ安心して享受するには,セキュリティ・プライバシ技術の発展が必要です.本研究室では,その基盤となる数学的問題(楕円曲線に関わる計算問題,格子に関わる計算問題等)の計算困難性に関する研究を行うと共に,(量子)チューリング機械における計算困難問題を利用したセキュリティ・プライバシ技術の研究開発を行っています.一方,計算問題の困難性に依存せずに暗号技術を構築する方法論として情報理論的暗号理論があり,本研究室は,この研究にも取り組んでいます.したがって,「計算困難問題を利用したセキュリティ・プライバシ技術」および「計算問題に依存しないセキュリティ・プライバシ技術」に関する理論研究を幅広く行っており,その基盤となる数理構造の解析,計算困難問題の解析にも幅広く取り組んでいます.


島研究室

キーワード:生体医工学,生体信号処理,知能ロボティクス,パターン認識,マンマシンインタフェース,医療福祉支援,リハビリテーション科学

Photo of Shima Lab.
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ヒトは非常に複雑かつ高度な情報処理システムであり,多種多様なメカニズムによって成り立っています.これらのメカニズムは今も完全には明らかにされておらず,これらにはヒトを効率よく支援するためのヒントが隠されている可能性があります. 例えば,ヒトの活動にともなって生じる生体信号(筋電図,筋音図,脳波やバイタルなど)を適切に計測・評価して利用すれば,効果的にヒトを支援することができます. 我々の研究室では,ヒトの巧みな運動を実現するメカニズムの原理解明と,ヒトのように柔軟に思考・判断する人工知能を搭載した知能ロボット技術を応用し,様々なシーンでヒトを効果的に支援することを目指して研究活動を行っています.世界にこれまで存在していなかった「未知を知る確率的AI」による生体信号解析,「ヒト―ヒトインタフェースによる運動学習支援」,「仮想壁による転倒リスク評価」など,新しい技術の開発と多分野との連携による最先端技術の社会実装に挑戦しています.


白川研究室

キーワード:知能情報処理,人工知能,進化計算,機械学習,画像処理・認識

Photo of Shirakawa Lab.
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本研究室は,コンピュータの知能化・高度化を目指して,機械学習やブラックボックス最適化のアルゴリズム開発と応用などの研究を行っています.機械学習や深層学習(ディープラーニング)は近年目覚しい発展を遂げていますが,その性能を最大限に引き出すためには手法やパラメータを適切に選択する必要があり,実際の利用場面では試行錯誤や専門知識が必要不可欠です.このことは機械学習を様々な分野に応用していく上での大きな障壁になっています.我々は,この障壁を取り去ることを目標に機械学習の自動化技術に取り組んでいます.最近の代表的な業績は,深層学習で使用されるニューラルネットワークの構造最適化に関するもので,深層学習における知識表現のネットワークを自動設計する技術の開発や,その効率化を行っています.また,機械学習や最適化技術をコアとして,船舶,バイオ,医療といった異分野との融合研究,産学連携研究も積極的に実施しています.


富井研究室

キーワード:データ工学,マルチメディアデータベース,データベース高度応用

Photo of Tomii Lab.
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交通,医療,文化財など,どんな応用分野においても,その分野のエキスパートが持つ知見をデータによって定量的に説明するデータサイエンスがますます重要になっています.近年ではスマートフォンなどの携帯データ端末や,モノのインターネット化(Internet of Things: IoT)の普及により,多種多様なデータを得られるようになりました.当研究室では,データを統合的に管理してエキスパートの知見を再現することを目的としたデータベース技術の応用研究に取り組んでいます.たとえばスマートグリッド技術に着目したとき,電気自動車(EV)はエネルギーの時空間的な移動だけでなく,不安定な再生可能エネルギーの有効活用に寄与できるという新たな役割を担います.自動車の日常的な移動記録データを蓄積・管理するデータベースによって,未来のスマートグリッド社会のありかたを定量的に予測することが可能になります.


藤井研究室

キーワード:理論言語学,ことばの認知科学

Photo of Fujii Lab.

本研究室は,自然言語の文法や意味,そしてその獲得を研究対象としています.主たる関心は,文法面においては,主に日本語の記述・理論的な研究,およびその結果を行動学的に検証する実験研究から,子供が親から受け取る発話の電子コーパスを利用したコーパス研究,さらに現実のコーパスが与えられたとき,子供が文法の仮説空間からどのように正しい仮説を選ぶのかという文法獲得の研究を行っています.意味的側面については,推論の研究に取り組んでおり,特に日本人英語学習者を対象にした第2言語獲得研究を進めています.写真は,真偽判断タスクで用いる実験素材です.被験者はこのような絵で示されるお話を聞いて,実験者から提示される英文(この絵の場合は The girl ate some of the tomatoes)の適切さを判定します.本研究室メンバーは様々な方法論を用いながら,人間言語の知識の多様な側面にアプローチし,人間の言語知識の本性とその成り立ちに迫ろうとしています.


森研究室

キーワード:ディジタルドキュメント処理,情報検索,情報抽出,自然言語処理,自然言語インタフェース

Photo of Mori Lab.
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計算機・ネットワーク技術の発展に伴い,オンラインニュースからSNSまで膨大な量の文書が入手可能となる一方で,私たちが今必要とする情報に辿りつくことを難しくしています.本研究室は,これを改善するために,情報検索,情報抽出,自然言語処理などを基礎とした,ディジタルドキュメントに対する高度情報アクセス技術の研究を行っています.例えば,高度質問応答(QA)技術の研究もその一つです.近年,AIスピーカ等の登場により,簡単な言葉による質問や命令で機械を動かし,必要な情報を得ることが一般家庭にも浸透しつつあります.しかし,人の発する質問は通常はより複雑で,背景説明があったり,複数情報を関連づけた答を要求したりしますので,これに対応可能な高度QA技術が必要です.高度QAのグランドチャレンジとして,大学入試問題を解くシステムを開発する「ロボットは東大に入れるか」(東ロボ)プロジェクトなどがあります.我々はその中で世界史の入試問題に自動解答するシステムについて研究しています.


吉岡研究室

キーワード:情報システムセキュリティ,ネットワークセキュリティ,マルウェア対策

Photo of Yoshioka Lab.
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当研究室では,サイバー攻撃の実観測,分析に基づき,対策を導出する研究を行っています.インターネット上では様々なサイバー攻撃が発生し,またそれらの攻撃に狙われるシステムの脆弱性が存在しています.おとりのシステムである「ハニーポット」によりサイバー攻撃を惹きつけ詳細に観測する受動的観測や,攻撃の対象となる脆弱なシステムを探索する能動的観測により,これらの状況を把握し,独自の分析により,そのメカニズムを明らかにすることで,効果的な対策を導出します.このアプローチにより,これまでIoT(Internet of Things:モノのインターネット)におけるサイバー攻撃やマルウェア感染の蔓延,超大規模サービス妨害攻撃の観測,分析を行い,その観測結果や分析結果を多数の公的機関,民間企業,研究コミュニティに提供しています.


田邊研究室

キーワード:進化計算,多目的最適化,最適化の自動化,ベンチマーキング

Photo of Tanabe Lab.
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本研究室は2022年4月に設立しました新しい研究室です. 本研究室は人工知能・計算知能の一分野である進化計算の基礎研究に主な興味があります. 進化計算は反復的かつ確率的な一部の最適化手法の総称です. 代表的な進化計算手法には遺伝的アルゴリズムや進化戦略があります. 一般的に, 進化計算手法は厳密解法が使用できない際の最終的な手段として使用されます. 近年の計算機の発達は, 一昔前では考えられなかったほどの高精度なシミュレーションを可能としました. しかし, 解の良し悪しをシミュレーションにより評価するために, 目的関数が陽に与えられずブラックボックスとなる最適化問題が実応用の現場では近年増加しています. 進化計算手法はこのようなブラックボックス最適化に対して有用なアプローチの1つです. 他にも, 進化計算手法は一部の大規模な組合せ最適化問題に対して効果的であることが知られています. 進化計算の応用領域を拡大するために, 本研究室ではより高性能かつより使いやすい進化計算手法の実現に取り組んでいます.


村山研究室

キーワード:ウェブ工学,計算社会科学,データマイニング

Photo of Murayama Lab.
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本研究室では、ウェブ情報学、及び、計算社会科学を主な研究領域としています。デジタル社会の発展により、多くのオンライン情報が蓄積されるようになり、これらの情報は現代社会を反映した貴重なデータとなっています。これまで記録として残らなかった様々な現象をデータとして収集し、分析することが可能となりました。本研究室では、自然言語処理や時系列分析をベースとして、オンラインデータを分析するための新たな技術を創出することを目指すとともに、社会の課題を分析し、解決策を提案することに注力しています。また、文理融合にも積極的で、情報学のバックグラウンドを持ちつつも、社会学、心理学、人口学などの人文系の異分野との協力を積極的に進めており、異なる視点からのアプローチを取り入れることで、より包括的な社会問題の解決を目指しています。